点滴療法

点滴療法とは

点滴療法とは、ビタミンやミネラルなどの栄養素や、体内に存在する有効成分などを点滴によって静脈内に投与することにより、様々な症状を改善させたり、健康を増進させたりすることを目的とした治療です。
抗酸化作用、免疫力向上、代謝改善といった作用があるため様々な症状に効果が期待できます。統合医療、アンチエイジング医療などに以前から欧米では広く使用されています。ノーベル化学賞を受賞したアメリカのライナス・ポーリング博士は、特に、ビタミンCについてはガン治療にも有効であると発表してから、現在まで様々な研究が行われています。現在ではガンの代替治療として、抗がん作用だけでなく、抗がん剤治療の副作用軽減などに高濃度ビタミンC点滴療法が行われています。
ビタミンやミネラルなどは、サプリメントで摂取は可能ですが、経口で摂取しても吸収には限界があります。これに対して点滴や注射は、血管内に投与しますので血中濃度を急速に上げることができ、栄養素としての補充だけではなく、抗酸化や抗ガン作用などの薬理作用を期待できます。
点滴療法にはさまざまな種類がありますが、当院では、高濃度ビタミン点滴療法、マイヤーズカクテル点滴療法、グルタチオン点滴療法を行っています。

点滴療法で使用するビタミンの作用

ビタミンC

ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、皮膚の成分であるコラーゲンの生成に必須の栄養素です。 その他にも、抗酸化作用による癌の予防・心臓血管系疾患の予防や、免疫力向上による風邪予防、植物性鉄の吸収促進作用などさまざまな働きがあります。 多くの哺乳類は、体内でビタミンcを合成できますが、人間はできません。

ビタミンB1

ビタミンB1はチアミンとも呼ばれており、糖質代謝をサポートするビタミンです。 炭水化物などの糖質をエネルギーに変換され、 疲労回復にも大きな効果が期待できることから、「疲労回復ビタミン」とも呼ばれています。 脳や神経系の円滑な情報伝達にも欠かせないビタミンです。ビタミンB1の摂取量が減ったり、糖質中心の食事が多い場合は、ビタミンB1不足の症状が起きる可能性が高くなるといわれています。

ビタミンB2

ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれるビタミンB群の一種で、糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産生に関わる酸化還元酵素の補酵素として働きます。 ビタミンB 1が糖質の代謝に関わるのに対して、ビタミンB 2は特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。 「発育のビタミン」ともいわれ発育促進に欠かせない栄養素です。

ビタミンB6

ビタミンB6はピリドキシンとも呼ばれるビタミンB群の一種です。たんぱく質の分解・合成を助け、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。また、神経伝達物質の合成にも関連しているので、精神安定にも効果が期待できます。ホルモンのバランスを整えるため、女性の味方となるビタミンです。

ビタミンB12

ビタミンB12はコバラミンとも呼ばれるビタミンB群の一種です。食品中のタンパク質と関わり、アミノ酸や脂肪酸の代謝の手助けをします。神経や血液細胞を健康の維持に役立ちDNAの生成を助ける栄養素です。 また、貧血の一種である巨赤芽球性貧血の予防にも役立ちます。 赤血球の形成を助ける栄養素として栄養機能食表示ができるビタミンです。

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンはビタミンB群のひとつです。 糖質や脂質を燃焼し、エネルギーを作り出すときや、アルコールを分解するときに働く「酵素」を助ける「補酵素」としての役割があります。 皮膚や粘膜の健康維持を助けるほか、脳神経を正常に働かせる効果があります。食品から摂取するだけでなく、カラダの中でアミノ酸の一つであるトリプトファンから作られることが特徴です。

パントテン酸(ビタミンB5)

パントテン酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の1種です。 エネルギー代謝に必要な栄養素で、免疫抗体の合成、解毒作用、HDLコレステロールの増加、副腎皮質ホルモンの合成による抗ストレス作用などの働きがあります。 腸内細菌によって体内で合成される栄養素です。さまざまな食品に含まれおり、極端に食事量を減らさない限り、不足することはほとんどないと考えられています。

点滴療法で使用されるミネラルの作用

マグネシウム

マグネシウムは、約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しています。残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在します。カリウムに次いで細胞内液に存在しますが、細胞外液には1%未満しか存在しません。マグネシウムは、体内で約300種類以上もの酵素の働きを助けています。カルシウムと密接な関わりがあり、骨や歯の形成に必要な栄養素です。多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つ作用があります。

カルシウム

カルシウムは、体重の約1~2%含まれており、生体内に最も多く存在するミネラルです。その99%はリン酸と結合したリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)として骨や歯などの硬組織に存在し、残り1%は血液、筋肉、神経などの軟組織にイオンや種々の塩として存在しています。カルシウムは、骨や歯などの主な構成成分になるほか、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに働きます。

グルタチオン

グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸が連なったペプチドで、体の中のほぼすべての細胞に存在します。体内では、生きるために必要なエネルギーを生み出しますが、その副産物として活性酸素が発生します。活性酸素が多すぎると正常な細胞も悪影響を及ぼし、老化につながります。
グルタチオンは活性酸素を消去する抗酸化作用があり、活性酸素の増加を抑えることで老化を防止することができます。
また、グルタチオンはしみやそばかすの原因となるチロシナーゼの働きも抑える効果があるため、シミ・そばかす・黒ずみ等の産生を抑える事もできます。

グルタチオン点滴

グルタチオン点滴療法とは、グルタチオンを高濃度で点滴する点滴治療です。グルタチオンとはヒトの体内に広く分布するアミノ酸が結合したペプチドという化合物で、強力な抗酸化作用があります。
また、グルタチオンには、解毒作用もあります。日本で既に40年以上も前からグルタチオンを自家中毒、つわり、妊娠中毒、薬物中毒、慢性肝炎の治療に使用していました。一般にグルタチオンは、20代をピークに加齢と伴に減少するといわれています。近年、パーキンソン病患者の脳内においてグルタチオンが減少していることがわかり、点滴での補充療法で症状の改善に有効とされています。
また抗がん剤(シスプラチン薬)による末梢神経障害にも有効性が認められており、研究が進められています。
期待される効果として、パーキンソン病、抗がん剤による神経障害、閉塞性動脈硬化症、線維筋痛症、過敏性腸炎、慢性疲労症候群、各種神経系疾患などの症状改善があり、その他、解毒、アンチエイジング、美白・美容を目的としても使用されます。

グルタチオン点滴療法の効果が期待できる症状や疾患

  • パーキンソン病
  • 抗がん剤(シスプラチン)による末梢神経障害
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 線維筋痛症
  • 過敏性腸症候群
  • 化学物質過敏症
  • 多発性硬化症などの神経難病
  • 原因不明の全身倦怠感
  • 風邪の初期症状
  • 急性および慢性湿疹
  • 慢性肝疾患における肝機能の改善
  • アンチエイジング
  • 美白、美容

など

マイヤーズカクテル点滴療法

マイヤーズカクテル点滴療法とは、ビタミンやミネラルを補充する点滴療法です。
ビタミンやミネラルを補充することによって体の酸化を防止し、体調改善や病気の予防に効果があります。ビタミンB1・B2・B3・B5・B6、ビタミンC 、マグネシウム、カルシウムなどのビタミン・ミネラルによる総合的な点滴療法です。
期待される効果として気管支喘息、偏頭痛発作、慢性疲労症候群、全身倦怠感、こむら返り、アレルギー性鼻炎、生理不順、急性上気道炎、慢性副鼻腔炎、慢性蕁麻疹、耳鳴りなどの症状の改善などがあります。

マイヤーズカクテル点滴療法の効果が期待できる症状や疾患

  • 気管支喘息
  • 偏頭痛発作
  • 慢性疲労症候群
  • 線維筋痛症
  • こむら返り
  • 慢性副鼻腔炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 慢性蕁麻疹
  • 甲状腺機能亢進症
  • 心不全
  • 狭心症
  • 生理不順
  • 耳鳴り

など

高濃度ビタミンC点滴療法

高濃度ビタミンC点滴療法とは、大量のビタミンCを注射する点滴治療です。ビタミンCは経口摂取の場合、吸収が悪い事が問題でしたが、高濃度ビタミンCの点滴では、大量のビタミンCを注射する事で強力な薬理作用が期待できます。また、ビタミンCを大量(50~100g)に投与することで過酸化水素を発生させ、これががん細胞に取り込まれることでがん細胞を死滅させたり、さらにがん細胞が新生血管を作るのを抑えたりすることで増殖を抑制する効果があります。高濃度ビタミンC点滴療法で使用するビタミンCは、防腐剤フリーのマイラン社製品を使用しています。
期待される効果として、ビタミンCを大量に使用することで、抗がん作用、がんによる症状の緩和、抗がん剤治療の副作用の軽減などの効果が期待できます。 また、美肌・美髪効果、風邪・インフルエンザの予防、免疫力向上、疲労回復、アンチエイジング効果、がん患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの症状改善などが期待できます。

G6PD(グルコース6リン酸脱水素酵素)活性と高濃度ビタミン点滴療法について

日本人のG6PD 異常症の頻度は0.1%~0.5%との疫学的調査では報告がでており、G6PD 異常症は世界で4 億人に達するといわれています。G6PDの働きが弱い方に高濃度(25g以上)のビタミンCを投与すると溶血性貧血を引き起こすことがあります。ビタミンCを25g以上投与する前に、G6PD 活性の測定が必要になります。
また、がん治療を目的として高濃度ビタミンC点滴療法を行う場合、抗がん作用のある有効なビタミンC量を決めるために、血液中ビタミンCを測定します。 

血液オゾン療法

オゾン療法は医療用オゾン発生器でオゾンを発生させ、さまざまな方法でオゾンを投与する治療です。代表的な方法は、50〜100mLの血液を採取し適量なオゾンと反応させたのちに、点滴で体内に戻す方法で、大量自家血液オゾン療法(Major Autohemotherapy, MAH)と呼ばれます。通常オゾン療法といえばこのMAHを指します。
MAHは、老化や病気に対応する成分を「自ら作る」ように細胞に働きかけ、自然治癒力を回復させる治療法で、免疫の改善、酸素化の促進、抗酸化作用の向上、細胞活性化などのほか、様々な作用があることがわかっています。採血時の血液がオゾン注入によって鮮やかな赤色に変わることから、血液クレンジング療法と呼ばれることもあります。
MAHの他にも、オゾンガスの局所注射や、直腸注入、オゾンガス浴やオゾン化したオイルの塗布など、様々な治療法があります。

オゾンを投与する方法によってさまざまな症状や疾患に対する効果が期待できます。

全身療法

大量自家血液療法

脳血管疾患、虚血性心疾患、閉塞臍動脈硬化症、糖尿病性腎症、がん、関節リウマチ、加齢黄斑変性、慢性感染症、炎症性疾患など

少量自家血液療法

アレルギー性疾患、難治性皮膚疾患など

直腸注入法

MAHの適応に加え、大腸・直腸・前立腺疾患など

局所療法

オゾンガス局所注射

腰痛、肩こり、その他の筋骨格筋系疾患

関節腔内オゾンガス注射

変形性関節症、関節リウマチなど

オゾン化オリーブ油

創傷、痔瘻、褥瘡など外表疾患、皮膚疾患など

キレーション療法

お知らせ

昨今の物価上昇により材料代や検査代が高騰しているため、血液オゾン療法は現在休止しております。

マグロなどの魚介類を多く摂取し、歯科の充填物としてアマルガムが使われていた日本では、水銀が過多になる患者が多くいます。また、水道管やヘアカラーなどが原因で鉛が増加しているケースや、海藻を食することでヒ素が増えたりするなど、日常生活の中で無意識に有害重金属を体内に取り込むことで様々な健康障害を引き起こすことがあります。
キレーション療法は、合成アミノ酸であるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)などのキレート剤を使用する治療法で、さまざまな金属とキレート剤との親和力の差を利用して、目的とする有害重金属を吸着し、体外排出させる治療です。

蓄積重金属による主な症状と原因

主な症状 主な原因
水銀 手足の震え、しびれ、集中力低下、不眠、視力低下、疲れやすい、情緒不安定、頭痛、言語障害 汚染された魚介類(マグロ、金目鯛、メカジキ、ふかひれなど)、アマルガム、農薬、防カビ剤、柔軟剤
貧血、不安感、めまい、イライラ感、免疫低下、骨や筋肉の痛み、頭痛、発がん 古い水道管、ヘアカラー、殺虫剤、塗料、はんだ、油絵具、蓄電池
ヒ素 疲労、手足のしびれ、神経症状、胃腸障害、色素沈着 海藻、ヒジキ、わかめ、野菜、果物殺虫剤、除草剤
カドミウム 脱毛、貧血、腎機能障害、骨折、疲労、血圧上昇、神経過敏 米類、玄米、喫煙、排気ガス、メッキ工場、電池
ニッケル 無気力、発がん、疲労、下痢、不眠、皮膚炎 喫煙、マーガリン、メッキされた金属アクセサリー

キレーション療法は、鉛、水銀、砒素、カドミウム、タリウム、クロム、ニッケル、スズ、アルミニウムなどの重金属除去や活性酸素の除去、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性血管障害などの動脈硬化性疾患、炎症性疾患、加齢黄班変性症などの眼科疾患、アトピーなどの皮膚疾患、メニエール病などに対する効果が期待できます。
また、アンチエイジングの効果も期待できます。

点滴療法にかかる治療費

点滴治療法は健康保険が適応されず、診察、治療、検査、処方のすべてが自費診療となります。
治療内容や費用などの説明を受け、十分に納得されましたら治療同意書にサインをいただきます。

診察料(税込)
初診   3,300円
再診 1,100円
点滴療法(税込)
マイヤーズカクテル点滴療法   2,750円
グルタチオン点滴療法 600mg  2,200円
※200㎎ごとの追加220円
(例:1,200mgの場合には2,860円)
高濃度ビタミンC12.5g 6,600円
高濃度ビタミンC25g 7,700円
高濃度ビタミンC50g 12,100円
高濃度ビタミンC75g 16,500円
高濃度ビタミンC100g 20,900円
血液オゾン療法(税込)
大量自家血液オゾン療法  6,600円
オゾンガス関節内注射療法 3,300円
オゾンガス局所注射療法 2,750円
オゾンバック療法 2,200円
オプション(税込)
グルタチオン(200mg)   1A追加ごとに220円
ビタミンC(2g) 1A追加ごとに440円
ビタミンC製剤(25g) 4,400円
メチコバール(1mg) 220円
各種ビタミンB製剤 220円
検査(税込)
G6PD検査 8,800円
ビタミンC濃度測定 5,500円

*一般血液検査も自費となります。

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